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2026/08/10 06:34

一つの檻に、鹿が二頭入った。
2026年8月9日。
朝の見回りで、少し珍しい光景に出会いました。
一つの箱罠の中に、鹿が二頭。
二頭同時に捕獲すること自体が、私にとって初めてのことでした。
しばらく、餌を糠にしていました。
ところが、どうも掛かりがよくない。
そこで、餌を変えてみました。
今回の二頭の捕獲を見て、
「餌を変えた効果が出たのかな?」
と、まず思いました。
もちろん、一度の出来事だけで餌の効果があったとは言えません。
ただ、現場で試して、結果を見て、また考える。
罠猟では、そういう繰り返しが続きます。
今回の二頭は、おそらく親子。
大きい方が雌。
小さい方が雄。
小さいとはいっても、これくらいの大きさになると、成獣として扱われるサイズだと思います。
なぜ、一つの檻に二頭入ったのか。
これには、罠の構造が関係していたのではないかと考えています。
今回使っていた箱罠は、私が使うものの中で少し大きめです。
そして、蹴り糸の高さを少し高めに設定していました。
それは鹿、猪が対象の檻の為に他の獣、例えば狐が狸、穴熊などか捕獲されないようにです。
おそらく、小さい方の鹿が先に檻の中へ入った。
蹴り糸の高さが高かったため、そのまま蹴り糸に掛からず、檻の奥まで進んだ。
その後を、大きい方の鹿がついて入った。
そして二頭とも檻の中に入ったところで、罠が作動した。
私は、そう推察しています。
もちろん、実際に鹿がどのような順番で入ったのかを見ていたわけではありません。
だから、これはあくまで現場を見た上での私の推察です。
鹿は単独でいることもありますが、今回の二頭については、少なくともこの二頭が一緒に行動していたことは間違いありません。
小さい鹿が先に入ったのか。
大きい鹿が先に入ったのか。
どちらが餌に誘われたのか。
それは分かりません。
ただ、結果として一頭が入ったあと、もう一頭もその中へ入った。
その事実だけが残っています。
二頭とも、人が近くに来ると暴れていました。
箱罠に鹿が入ったときには、よくあることです。
檻の中を走り回る。
身体をぶつける。
人の存在に反応する。
罠の中にいる鹿を見ると、普段山で見ている姿とはまったく違います。
それが檻の中では、逃げることができない。
捕獲というのは、こういう現実も含めて向き合うことだと思っています。
私はあまり大きな箱罠を好みません。
小さい檻の方が、とめさしをするときに扱いやすいからです。
今回のように大きめの檻を使ったことで、二頭が入るという出来事が起きました。
これは良いとか悪いとかいう話ではありません。
罠の大きさ。
蹴り糸の高さ。
餌。
設置場所
季節
天気
鹿の行動。
それぞれが組み合わさって、結果が変わる。
今回の一件も、その一つの事例として記録しておきたいと思いました。
捕獲した後の利用も、二頭で違いました。
一頭は、食肉処理をされている方へ。
もう一頭は、私が剥皮をして冷凍しました。
肉については、別の方へ譲りました。
同じ檻に入った二頭ですが、その後の行き先はそれぞれ違います。
ここが重要で
鹿を捕獲するということは、そこで終わる話ではありません。
捕獲した後にどうするのか?
誰が処理するのか?
何を利用するのか?
誰のところへ行くのか?
そこまで含めて、一頭の鹿との関わりが続いていきます。
今回の出来事で、何か大きな結論が出たわけではありません。
餌を変えたから二頭入ったのかもしれない。
たまたま二頭が一緒に行動していたのかもしれない。
檻が大きかったから二頭入ったのかもしれない。
蹴り糸の高さが関係していたのかもしれない。
いくつもの可能性があります。
まだ一度の事例です。
だから、今は「こうだった」と決めつけるつもりはありません。
ただ、現場で起きたことを記録しておく。
次に罠を仕掛けるときに、今回のことを思い出す。
そして、また別の結果が出たら比較する。
私にできるのは、その繰り返しです。
狩猟をしていると、毎回同じことが起きるわけではありません。
同じ場所でも違う。
同じ罠でも違う。
同じ鹿でも違う。
だからこそ、記録しておく意味があるのだと思います。
今回、写真を撮ったのも特別な理由があったわけではありません。
記録として残しておこうと思ったからです。
一つの檻に鹿が二頭入った。
2026年8月9日の朝。
それだけの出来事です。
でも、こういう小さな出来事を残しておけば、いつか別の出来事と並べて見られるかもしれません。
あのときは二頭だった。
そのときは一頭だった。
餌を変えたらどうなった。
罠の大きさを変えたらどうなった。
鹿の入り方はどうだった。
そうやって記録が少しずつ増えていく。
今は、それで十分だと思っています。
私は、私にできることをやります。
人と比べても、あまり意味はありません。
誰かがもっと多くの鹿を利用している。
誰かがもっと高度な加工をしている。
それは、その人がやっていることです。
私は私の現場で起きたことを見て、考えて、試して、また記録する。
今回の二頭についても、特別な物語を作る必要はありません。
ただ、
「一つの檻に、鹿が二頭入った。」
その出来事を、ここに残しておきます。
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